【ブログを書く】「撒き餌カメラ」という新しい提案~FUIFILM X-T100レビュー【練習です(2年ぶり)】
デジカメが、すっかり高くなってしまった。
キヤノンやニコンの新マウントフルサイズミラーレスならまぁ分かる(EOS RPは頑張ってると思う。ただしレンズはクソ高い)。ところがAPS-Cやフォーサーズ勢までミョーに高級志向で、高性能&大型&高価格な機種ばかり出してくる。安いのは型落ちか、画像処理エンジン以外は枯れた設計の機種ばかり。もちろん収益性の高い機種中心にシフトしたい気持ちは分かるけど、もう(スマホ以外の)デジカメは庶民の持ち物ではなくなったのかなぁ…そんなことを考えていた2月のある日。発売から8か月(購入時点)でダブルズームセットが7万円弱、しかもキャッシュバックキャンペーンでさらに1万円引きという奇跡のタイミングでそいつは(LUMIX GX7mk2のショボいUIへの不満がたまっていた)僕の前に現れた。それがX-T100だったのである。LUMIX一式+1万円弱(実質無料)を差し出して待つことしばし、フジヤカメラの店員が「すいません、この色しか残ってないですけど、よろしいですか?」の念押しとともにダークシルバーのダブルズームセットの入ったデカい箱を持ってやってきた。帰宅してさっそく充電…しながらキャッシュバックキャンペーン応募に向けて箱にハサミを入れ、バーコード部分を切り出す。そしてレンズを梱包から解いて最初の驚き。リアキャップがない!(かぶせるタイプの簡易なものは付いていたがマウントにかみ合わせるタイプではなかった。さすがに後日別途購入した)ここからケチるするのかぁ~といささかビックリである。
【関係各位】カメラ、買い換えました。 pic.twitter.com/BM915BxMrh
— kimaroki(A.O.) (@kimaroki) February 14, 2019
半年使ってみて感じた、ダメなところを早めに書いておく。まず、電源ON時にときどき「電源を入れ直してください」というアラートが出る。ググったところ、どうやらXシリーズではよく出る症状らしい。言われてみればレンズを下向きにしてスイッチを入れたときによく起きるような…で、レンズを上向きにしてスイッチを入れると症状は出ない。何だそれ。
そしてオートフォーカスがトロい。速度こそまずまずだが追尾性能が絶望的にトロい。サッカーどころかアイドルのステージでさえダメダメだった。暗いところも弱いし、明るいところでも少し日陰になるとピントが迷ったり外れたりするので油断ならない。が、結構暗い場所で(こりゃアカンやろ)と思いながら撮ったのが意外と合ってたりもするのでもっと油断ならない。
昨日撮った写真(1) #spatio @渋谷アイドル劇場(シダックスカルチャーホール)“隠れ美少女県”らしく3人ともカワイイし正しくアイドルしてるなぁと感心しつつ、撮影可とはいえ客の約2/3がカメコで盛り上がりに欠けた感も。X-T100のAFは全く追いつかなかったが高感度特性は結構ある感じ(3200で撮影 pic.twitter.com/D5jORXv9Ui
— kimaroki(A.O.) (@kimaroki) May 12, 2019
あと、当たり前だけどセンサーにゴミが簡単に付く。クリーニング機能は一応あるけど、当然ながら(完全シールド設計の)フォーサーズにはかなわない。レンズ交換後、画面にデカい斑点が現れたこと数回。取り急ぎブロワーを弱く吹いたら(開放絞りでは)消えたけど、帰宅して絞り込んでチェックしたらしっかり残ってた。市販のクリーニングキットも試したが力の入れ加減がよく分からず効果もイマイチ。ホントにこれは各メーカー考えてほしい。一眼レフのクリーニングモード(シャッター開放)の逆で、レンズ交換のときシャッター閉じるモードとかできんのかね。それだけで十分違うと思うけど。
もう一つ付け足すと、操作系のカスタマイズができる範囲が少ない。特にダイヤルの回転方向を変えられないのはちょっとしんどい。ここを割り切るとどれくらいコストダウンできるんだろう。結構大きいんだろうか。
つまり、これらの問題点が気にならなければ(あるいは割り切れれば)、そしてピントと露出がキチンと合いさえすれば、こいつは鬼ほどコスパのいいミラーレス一眼ということだ。
まず、レンズが良い。それもセットについてくる標準ズームがしっかり写るのだ。特にポートレートで髪や肌のディテールを結構しっかり描写してくれるのは意外だった。パンケーキ(薄型)タイプではないので設計に余裕があるのかもしれないし、フォーサーズとAPS-Cのセンサーや画素ピッチの大きさの違いからくる印象の差かもしれないが、とにかくプラスチックマウントの実質1万円くらいで入手できるレンズがここまで写れば大健闘である。開放絞りは暗いので当然ボケ効果は薄いし、電動ズームなのでズーミングにはひと苦労するが、そこさえ割り切れれば十分に“使える”レンズといえる。
新デジカメの初戦は友田彩也香さん @tomodaayaka イベントとなりました。まぁ〜発色が良い!とても7万円弱(+キャッシュバック1万円)とは思えない。ローパスあるから若干シャープさには欠けるけど許容範囲。キットレンズの描写力もなかなか良い。フィルム屋恐るべし… pic.twitter.com/h7slqiGRUD
— kimaroki(A.O.) (@kimaroki) February 22, 2019
15年10月以来の個撮だった春野恵大先生 @haruno_megumi 途中で「Tバックありますけど」って言われて着替えてもらったら…とってもよろしかったです。 pic.twitter.com/scnSoETdNZ
— kimaroki(A.O.) (@kimaroki) June 22, 2019
念願だったももかさん @momokasi0312 の個撮。寝不足で体調良くなかったり広くはないスタジオにモデルさんひしめいてたりで難儀したけど彼女のスキルと心遣いに助けられました。 pic.twitter.com/eFTRpmv6LU
— kimaroki(A.O.) (@kimaroki) August 4, 2019
そしてボディの操作感が良い。EVFの見え具合をLUMIX GX7mk2と比較するのは酷すぎるのだが、やはり大きくなると圧倒的にストレスが減って気持ちよく撮れる。ボディの大きさや(付属グリップ装着時の)ホールディング感もちょうどいい感じ。シャッター音は少しチープに感じる人もいるかもしれないが、LUMIXは静音設計ゆえモデルさんまでシャッターを切ったのが伝わらないことが多くて苦労したので、個人的にはこれくらい音がする方がありがたい。その辺りをどこまで意識して設計しているのかは不明だが(家電屋とフィルム屋の考え方の違いと言えるかもしれない)フォルムやダイヤルの操作感なども含めて全体的に“カメラをいじってる感”を感じられるのが良い。そんな感じで、細かいところに不満点はあるものの、全体的には良い買い物をしたと思っている。何しろこの価格である。買った時期が底値だったようなのでなおさら文句は言えない。そして使っていくうちに感じてきたことがある。全体的に高価格化が進む純正交換レンズが良心的な価格帯で収まってることや、撮っていて感じるビミョーな物足りなさが、物欲を刺激するのだ。
「撒き餌レンズ」という言葉がある。キヤノン50mmF1.8に代表される、コスパの高いレンズを指して“(レンズ)沼にいざなう”役割を担うかのような存在のレンズを指す。前述の通り、X-T100というカメラは決して“高性能”ではない。ただ、フツーにスナップや風景を撮るには十分な性能だし、ピントと露出が合えばしっかりした写真が撮れる。で、この価格である。それならば上位機種はもっと…という気分になってしまうのだ。
かくしてタイトルの「撒き餌カメラ」という言葉が誕生したのである。
新デジカメ=X-T100初戦は光の条件が厳しい現場へ。ピント周りが少し弱いかなー。あとシャッター切った後に画像が戻るまでのタイムラグの長さも気になる。ただ…ダブルズームセットで67100円(購入時)のキットレンズでここまでの画が撮れるのはすげーよ。撒き餌レンズならぬ撒き餌カメラだなこりゃ。 pic.twitter.com/8JhXcJ4zJX
— kimaroki(A.O.) (@kimaroki) February 27, 2019
…って、買って2週間で書いてたのかよ(苦笑)
おそらく、これからもデジカメは(コンパクト・一眼を問わず)高級化が進み、庶民の持ち物ではなくなっていくだろう。スマホのカメラでもかなりのことはできるようになっているし。ただ、そういう中でも撮影という行為に興味を持ち、本格的なカメラを持ちたいと思う人は確実に出てくる訳で、そういう人を取り込もうとするとき“入門機”というジャンルは必要だ。フィルムカメラ時代ならペンタックスME/MV1やオリンパスOM10、ニコンEM、ミノルタX-7のような存在。デジタル一眼レフならEOSkissシリーズとかD5000/3000シリーズなのだが、やはりこれからは確実にミラーレス一眼になっていくのだから(EOS Mシリーズは将来的には終息していくだろう。ミラーレスマウントを大小併用していくのなら、それこそフジのようにAPS-Cとオーバー35mmくらいに振り分けないと両立できないと思う)やはりミラーレス一眼でそのような機種を各社ラインアップしていく必要がある。
FUJIFILM X-T100簡易レビュー
— kimaroki(A.O.) (@kimaroki) April 26, 2019
👍安い
👍キットレンズ(標準ズーム)の解像度は十分高い
※望遠ズーム未使用
👍カッチリした操作感
👍付属グリップを装着すればまずまずのホールド感
👎暗所のAFが弱い
👎謎の「電源を入れ直してください」アラート
👎シャッター切って画面が戻るまで長い
総評:コスパ高
参考:望遠ズームの作例▼
(2枚ともトーンカーブ修正、1枚目は縮小、2枚目は等倍切り出し)